オープンソースに貢献する日本人エンジニアが少ない理由
Mozilla Japanの金井玄氏のブログで「Open source contributors in Asia」という記事が書かれていました。 アジア地域では、OSS(Open Source Software)を使う人が多いのに貢献が少ないのは文化的な要因が大きいのではないかと書かれています。
Linux FoundationのJim Zemlin氏とLinus Torvalds氏の対談の中でTorvalds氏が文化的側面が大きいのではないか、と述べている点に注目しています。 原文では、じゃあ文化的側面とは何だ?という事に関しては明確に書かれていない気がします。
原文は「アジア人」とひとくくりにされていますが、個人的には日本とその他のアジア地域で「文化的側面」が同じとはあまり感じられなかったので、とりあえず、「日本人」というカテゴリで思いつくだけ列挙してみる事にしてみました。 思いつきで列挙しているので、適切ではない物も含まれるかも知れません。 「文化的側面」以外の理由も思いついたものは書いています。 また、追加などがありましたらご指摘頂ければ幸いです。
- 忙しすぎる。
- 平日には時間が無く、彼女/彼氏とのデートは休日のみ可能。 彼女/彼氏とオープンソースへの貢献を天秤にかけると、オープンソースが負ける。
- 家庭持ちは休日しか家族と接する時間が無く、その休日にオープンソースへ貢献してしまうと、家庭が崩壊する危険性が高くなるから。
- 滅私奉公を美徳とする上司/同僚が会社外の人のために貢献することを理解してくれない。
- 会社にバレる事を恐れている。
- ネット上に名前を晒す事を恐れている。
- 主張するのが苦手。控えめに発言などをするため「成果」を積極的な他者に持っていかれる。
- マルチバイト問題への取り組みに多くの人員が裂かれてしまう。結果として他分野への貢献は減る。
- 英語が苦手。
- 時間をかけて英語の文章を考えているうちに、他の誰かが提案をしてしまう。何度かそれを経験するとやる気をなくしてしまう。
- 直接的な発言が多いコミュニティに入る事が苦手。
- オープンソースに貢献して名前を売ることで転職しやすくするという問題意識に魅力を感じない人が多い。
- 転職が多くなったとは言え、まだ多数派ではないから。
- 潰れそうに無い大企業に入ると名前を売る必要性が減るから。
- オープンソースに貢献しないと自分の手元の環境で動かないという状況が減ったから。
- 頑張っても誰も褒めてくれないから。
- 「自分がやらなくても誰かがやってくれるだろう」という発想が強いから。
- 上司/社長がオープンソースの存在を知らないから。
- なんとなく。
そういえば、最近は私もオープンソースなコードを書いたり、パッチを送ったり全くしてないですね。。。 オープンソース系の何かやりたいなぁと思いつつ、どの分野の何をするかがで悩み中。 「悩む前にとりあえず、手を動かしてみそ」というご意見はあるとは、思いますが。。。 あーーうーーー。
関連
Matzにっき : 日本の技術者によるOSSの貢献が少ない理由 - WebStudio, 忙しすぎるから
追記:2008/2/14
コメント欄より。
確かに「このオープンソースプロジェクトは日本人が多大な貢献してるぜ!」リストを作るのは重要ですね。 それを見た人が勇気付けられ、やる気になってくれる可能性があると思います。 また、オープンソース界で活躍している人リストなども確かにあると良さそうですね。 金井様ありがとうございます。
以下、ご紹介頂いたCNETのブログ記事からアジア人が多大な貢献をしたオープンソースリストを要約してみました。
- Ruby(日本、まつもとゆきひろ氏)
- IPv6(日本、Itojun氏、KAME、USAGI)
- KOffice and KSpread(インドネシア、Ariya Hidayat氏)
- Apache AXIS Webサービススタック(スリランカ)
- Seasar2アプリケーションフレームワーク(日本)
- JFox (a J2EE container) and Orbas (a CORBA implentation)、(中国)
- Sylpheed(日本、山本博之氏)
- GCC and libc、(H.J.Lu氏)
- Hermes H2O open source AS2 Messaging Gateway(香港)
- Postgresql(日本、井上博史氏, 斉藤 浩氏, 石井達夫氏)
- その他、Linux、PHPなどの「メインストリーム」に参加した無数のアジアン。例えばFreeBSDはアジア人が多い。
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コメント
| ゆいゆい |
|---|
| 少なくても,私自身は上司の理解が得られないから,でしょうか. 海外ではどうか知りませんが,「就職してから書いたプログラムは,たとえプライベートであっても著作権は会社にある」と,新入社員研修で言われました. プライベートで書いたアプリをフリーで公開したのがバレたら怒られるし,シェアウェアで公開したらすべて没収されます. そんな会社ですから,OSSに提供したプログラムをきっかけに転職なんて……. まあ,平日忙しいのも確かなので,休日は家族サービスが最優先なのも事実ではあります. |
| suzx |
| 「日本人の甘えの構造」 |
| Sio |
| OSSに参加するかどうかは個人的な嗜好が強いとはいえ、参加したい人にとっては、Geekな業界の勤め人の長時間勤務は大問題ですよね。それが一番だと私は思います。 前の方もコメントしてらっしゃいますが、よそでプログラム書いて会社ににらまれないか、という話は大きいと思います。NDAとかの条項に引っかかったら大変だし…という心配をするひとがいるかもしれない。 さらに、共通言語である「英語」での込み入った議論が苦手、という「障壁」も無視できませんね。外資のベンチャー勤めをしていたとき、問題点を英語で表現しようとして、メールのやりとりではわかってもらえず、電話してもわからず、現地で直接現象を見せてやっと理解してもらった、という事があったので、「文字」ベースでのコミュニケーションには、やはり高い壁を感じざるを得ません…(英語の能力が低いのは自分の努力が足りないからだという批判さておき) プログラムは無理でも、ローカライゼーションも立派な貢献であると、認められればいんですけどね。英語圏の人たちからは本質的な貢献ではないと見られているような気がしてなりません。利用者の拡大という意味では非常に大きいウェイトを占めると思うのですが。 |
| あまんじゃ |
| シンプルに考えると、以下の理由だと思います。 ・日本人はお金持ち (^^)/ ・世界で一番品質にうるさい(苦労してまで使いたくない) (^^; ・フリーソフトやローカライズも勘定に入れて下さい m(__)m ユーザー側が商業製品とフリーソフトで十分満足している以上、OSSが盛り上がらないのも当然と言うか。そんなところだと思いますが。 |
| koara |
| 安かろう悪かろうで、オープンソースのソフトウェアに偏見を持っている人が多いため、オープンソース活動したとして、公言できない。その為、オープンソース活動のメリットがでない。とかではないでしょうか? |
| 金井玄 |
| 皆さん、記事やコメントありがとうございます。この問題はすごく複雑と一緒に大事な問題だと思います。どうやってアジアや日本の開発者にオーペンソースの魅力性を分かって貰う事と実際にオーペンソースに参加する事。それと同時にアジアでのオーペンソースのイメージをあげる事。現実を見ますとアジアで参加している開発者は色々いますが海外でのイメージはそうではない。CNet の Matt Asay のブログでは mbenedict さんが簡単なリストを書いてます。 http://blogs.cnet.com/8601-13505_1-9863734.html?communityId=2016&messageId=304146#304146 それと韓国の例ですが KLDP の wiki で韓国人のオーペンソースコミッターの一覧があります。これは見やすいと思います。日本ではこのようなリストはないでしょうか? http://wiki.kldp.org/wiki.php/KoreanOpenSourceCommitter |
| 名無しでおねがいします。 |
| あまんじゃさんのコメントを見て、私はちょっと逆?の 認識を持ってます。私自身はオープンソース大好き人間ですが、「オープンソースと付き合えない人」はこういう人達かも、という勝手なイメージ像ですが^^;。こういう考え方もあるかも・・・ ●日本人エンジニアは経済的に恵まれていない。 →労働に対して正当な報酬をもらえない→自分自身を過少評価してしまう→参加意欲が芽生えない。 ●世界で一番ではないが、品質に疎い →対価を払うことで品質を確保しようとする。→対価を払う以外に品質を確保する方法を考えない→買えない部分はあきらめる。(自分の手で変えようとは考えない) |
| でか |
| 日本の技術者の給与体系は年功序列で悪平等だからだと思います。 米国ならOSSコミュニティに貢献できるくらいの技術力を持ってる人なら週に100時間とか働かずとも結構な給料もらえるわけですよ 日本は優秀な人も一般的な給料しかもらえない。それどころか優秀な人のところに仕事が集中して高負荷となり、仕事あたりの報酬は逆に低くなる傾向が強いようです。 |
| きむこう |
| ■今の現場は ::OSSの参加 * 会社の名を売る為なら許可 ::会社的には * 業務しながらあいている時間に裏線表で独自サービス作れ(RD工数の割り当て自体存在しない) したがって仕事終わっても、裏遣れと暗に言われて 帰りずらいです |








