飛行機と電子機器

2008/1/24

Unsafe At Any Airspeed?」というIEEEの論文がありました。 飛行機内で電子機器を利用している人がいるという現状と、電子機器によって飛行機の計器が影響を受けた事例を紹介しています。

この論文では、手荷物の中に無線受信機を仕込んで、実際の飛行中に電子機器を利用している人がどれぐらいいるかを調べています。 かばんの中に仕込まれた無線受信機の画像は原文にあるので、興味のあるかたはご覧下さい。 計測機器サイズの制限があったので、携帯電話とGPSなどのナビゲーションシステムに利用される電波を主に監視したそうです。

実験の結果、携帯電話やGPSシステムの電波を飛行中の機内で計測できたそうです。 どのフライトでも最低一人ぐらいは電子機器の電源を切っていないようであるとも書いてありました。

実際の危険度

電子機器による干渉がどれだけ事故を引き起こしたかに関しては不明だそうです。 電子機器が発する電波を絶えず計測し続けているわけではないらしいので、事故時のデータと電波を合わせて見ることが出来ないそうです。

そのため、この論文ではNASAが収集している飛行時の不具合情報とNASAによる研究を利用して考察を行っています。 考察の結果、電子機器が飛行に影響を与えてしまった事件は年間23件ぐらい発生しているのではないかと書いてありました。 ただ、この23件というのはあくまでランダムに取得したサンプルから考察した結果であり、もっと多いかも知れないし少ないかも知れないとも書いてありました。

飛行に影響を与えた事例としては、飛行中にDVDプレーヤを使っていたらコックピットでのナビゲーションで計器が30度ずれた値を表示してしまったそうです。 DVDプレーヤを使っていた乗客にDVDプレーヤを停止してもらうと、ナビゲーション計器の数値は回復し、実験のために再度DVDプレーヤを起動し直したらまた値がずれたそうです。 このような問題は、ゲーム機など他の電子機器でも報告されていると書いてありました。

2004年3月には、Samsung社の携帯電話SPH-N300がGPS受信機の衛星ロックを失わせるという報告が多数のパイロットから行われたそうです。 この携帯電話は普及していたため、NASAは技術メモを公表したそうです。 ただ、この携帯電話が発する電波はFCCの基準を満たすものであったそうです。

電子機器を使いたいというプレッシャー

ビジネス目的で飛行機を使う人は多く、そのようは人達は機内でノートPCなどの電子機器を使いたいと要求します。 そして、そのような人達は良い顧客である場合が多いため、電子機器を使えるようにすべきであるというプレッシャーは相当なものであろうと、論文では述べています。

最後に

この論文では「乗客はGPSを使って着陸するときに干渉が発生する危険性などに関して、もっと知らされるべきだ。」、「飛行のクリティカルな時期には電子機器の利用は制限され続けるべきであると考えている」と最後に書かれていました。 結構面白い内容だと思うので、是非原文もご覧下さい。

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