テレビとネットとマイナースポーツ

2008/10/21-2

以下の記事を読んで「今後マイナープロスポーツが脚光を浴びやすくなる状況が来るのかも知れない」と妄想しました。 一つ目の記事は2chのスレッドをまとめたものです。 二つ目はアメリカでのBMX(自転車)競技におけるお金の回り方を解説しています。 三つ目と四つ目は日本でプロとしてスケボーをしている荒畑氏へのインタビュー記事です。 2〜5つ目の記事は、私がブログの手伝いをしている植山周志さんが書いている記事です。

それだけでは食べていけない

日本の多くのマイナースポーツに共通する悩みとしては「それだけでは生計を立てられない」という点が真っ先にあがると思われます。 (マイナースポーツに限らずブログorブロガーも同様かもしれませんが、今回は範疇外です。)

日本でトップレベルのカリスマアスリートであったとしても、どこかの会社の社員などの本業を持っていたりします。 例えばその種目に関連する専門ショップなど、その業界に理解がある会社に勤めている事も多いです。 トップレベルのアスリートが生計を立てられないのであれば、その他多くのアスリートも生計を立てるのが難しいと思われます。

そして、副業としてのみスポーツを行うため、練習量なども制限されるようになってきてしまいます。

では、何故それだけで生計を立てにくいのかというと、アテンションが少ないからではないかと思われます。 多くのアテンションを集めている競技であれば、広告やスポンサーを獲得しやすくなります。 しかし、アテンションがなければ「広告」にならないため、広告やスポンサーを獲得する難易度は劇的に上昇します。

仮に、スポンサーが獲得できたとしても、それで生計を立てられるかどうかは、また別の話です。 あまりに毎月の収入が低すぎれば、他の仕事をしながら生計を立てざるを得なくなります。 例えば、植山周志さんがブログで書かれている「今までスポンサーさんから何を提供いただいたか」を見ると、ほとんどが金銭ではなく物品によるスポンサーです。 このようなスポンサーの形態もあるため、一見スポンサーがついているように見えたとしても「それ一本で生計」というと難しいのかも知れません。

なお、日本と比較してアメリカで様々なスポーツにアテンションが集まっているのは「テレビ」というものの構成が日本と全く異なっており、日本よりも細分化されていて放送されるジャンルが幅広いことも一因なのではないかと勝手に予想しています。 逆に言うと、日本の地上波に流れている放送の内容が偏り過ぎているのかも知れません。

これからはアテンションが分散していくか?

しかし、これからは多少状況が変わる可能性もあるのではないかと勝手に予想しています。 まず、日本国内でテレビ上でのアテンションを寡占していた「お笑い」や「バラエティ」が減るかも知れないからです。

「民放番組からバラエティが減る」という事は、単純に番組の内容が変わるだけでは無いと思われます。 視聴者的な立場から見るとジャンルが変わるだけですが、様々な「業界」にいる人々にとっては、非常に大きな変化が訪れるのではないかと予想しています。

バラエティやお笑いが減るということは、その代わりに何か他の番組が放映されるという事を意味しています。 すると、今までお笑い芸人などが集中して集めていたアテンションが他の何かに置き換わるという事になります。 しかも、次に来るものがドキュメンタリーや情報番組となると、毎週のように違う業界が紹介されるかも知れません。

例えば、夏になれば金魚が紹介され、冬になればウィンタースポーツが紹介されるかも知れません。 そして、それらは今までのように芸能人がちょっと遊ぶ程度にやるのではなく、そのものを突っ込んで紹介するという形もあり得ます。 (まあ、ドキュメンタリーという名のバラエティばかりになってしまうのであれば、それはなさそうですが。。。)

このようにアテンションが分散されるようになれば、様々なマイナースポーツが瞬間的にアテンションを集められる機会は今よりも増加するのではないかと思われます。 (今でもニュースなどで出る事はありますが、それよりももっと深くという意味での紹介が増えるかも知れないと考えています。)

瞬間的なアテンションを逃さないように業界として準備

テレビで何かが紹介されると、興味を持った多くの人がWebで情報検索を行います。 このようにテレビを震源とするアテンションの急激な上昇に対応できるように、その業界の様々なメンバーが各所で活躍しているような土壌が必要だと思われます。 具体的には、Web上で多くの情報発信を行えるようなITリレラシを持ちつつ、その業界においても一定以上の立場にいる人を今後数年でどれだけ増やせるかの勝負になるのではないかと思われます。

テレビで紹介された後に興味を持って検索した時に、ほとんど情報が出てこなければユーザは失望してしまうかも知れません。 非常に楽しそうに活動しているような情報がWeb上に大量にあれば、興味を持った人が業界に新しく入ってくる可能性もあります。

テレビで紹介されるタイミングというのは予測できない場合が多いです(ただし、PR会社などを使っていない場合)。 そして、テレビによって得られた興味は熱し易く覚めやすいという特徴を持っています。 例えば、テレビで紹介された瞬間から急激に特定のキーワードの検索回数が跳ね上がり、1日か2日ぐらいで急激にキーワードが検索されなると言われています。

そのような予測不能な紹介に対しての準備がどれだけしてあるかが重要になってくるような気がします。

テレビ番組製作者のアテンションを集めるためのWeb

毎週のように様々な物を紹介しなければならないとき、番組制作者(企画者)が「ネタに飢えた状態」になる可能性があります。 そのような場合、番組製作者がインターネットで何らかのネタを探している場合もありそうです。

このように、ネット上で「ネタ」を探しているテレビ番組制作者の目に留まるようにネット上で目立っている必要があるかもしれません。

最後に

今回はBMXやスケボーに関しての話ではありますが、実は様々な他の業界でも同様だと考えています。 例えば、剣道も、今後はオンライン上で情報を増やしていった方が良いと思っていますし、熱帯魚や観賞魚などに関してもWebやアテンションを意識できるような人が業界に増えれば良いと考えています。

今でも十分重要ではありますが、今後はWebは今よりもさらに重要になってくるのではないかと思う今日この頃です。

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