バーチャルコミュニティを活性化する要素

2007/3/29

「Joon Koh, Yung-Gul Kim, Brian Butler, Gee-Woo Bock, "Encouraging Participation in Virtual Communities", Commun. ACM 50 2 (Feb.2007)」という論文を読みました。 韓国にあるNetian.netという小規模コミュニティサービスプロバイダと、Freechal.comという大規模コミュニティサービスプロバイダの中にある77のバーチャルコミュニティを調査した結果、コミュニティ形成に影響があると思われる要素が論じてありました。 韓国がベースなので、日本と違いそうな部分もありましたが面白かったです。

コミュニティを活性化するための5つの要素

この論文では、バーチャルコミュニティの活性度を投稿と表示回数という指標で測っています。 論文では、77のバーチャルコミュニティを調査することにより、活発な投稿と大量のページビューが行われるための要素を抽出していました。

コミュニティの方向性

何をするコミュニティか、もしくは何に興味があるコミュニティかが明確である必要があるそうです。

リーダーシップ

コミュニティ内でモデレータとなる人がいるかどうかが重要な要素であるそうです。 コミュニティの活性度はモデレータの参加度合いに大きく左右されるそうです。

各メンバの立場/役割が明確であること

誰がリーダーで、誰がビジターかなど、メンバーの役割が明確であることが重要であるそうです。 この項目に関しては、個人的にはダウトだと思いましたが、韓国と日本で違うのかも知れません。

オンライン/オフラインでのイベント

コミュニティ内でお互いを認識しあうために重要であるそうです。

インフラ

サーバの安定性、回線速度、応答性、議論をしやすい(誘発する)ソフトウェア設計、などのインフラも重要です。 確かに重くてモッサリとしたシステムは使う気がしませんね。

オフラインでの会合

オフラインでの会合を行うとコミュニティは活性化するそうです。 実際に会ってみることで各メンバー同士の存在感が増すそうです。 オフ会を行うコミュニティの方が行わないコミュニティよりも活性化するということなのかも知れないと思いました。

各要素が与える影響

リーダーの貢献度とオフラインインタラクションの度合いは、投稿と表示の量に影響を与えるそうです。 また、システムの使いやすさは表示回数にのみ影響を与えるそうです。 回線速度などのインフラは全ての動作に影響を与えるそうです。 また、ある要素が他の要素に影響を与える度合いは、コミュニティの大きさによって変わるそうです。

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