子供騙しは大人にとっては下らないが、子供に対しては絶大な威力を発揮する

2007/10/15

「子供騙し」という言葉があります。 しかし、最近では「子供だまし」的である陳腐な表現の方が実は絶大な威力を持っているのではないかと感じる事があります。

例えば、最近ではメールを持っていると必ずといって良いほど受け取る「大人な出会い」系迷惑メールや、 ナイジェリア詐欺的なSPAMメールがあります。 これらは、ある程度の知識がある人であれば「子供だましだ」で終わってしまうようなものです。

しかし、これらのメールは無くなるどころか増殖している気がします。 恐らく、これらに引っかかってしまう人が多くいるため、メール送信者が収益を上げられるのでメール送信者が減らないのではないかと思われます。 SPAMメールに書いてある内容を非常に強く欲する人が読むと、ついつい心を動かされてしまうのかも知れません。

現状では、これらのSPAMメールが狙っているのは大人です。 しかし、最近では子供もインターネットに接する機会が増えています。

そのうち、子供を狙ったSPAMメールが出現しても不思議ではないと思われます。 例えば、「激レアポケモンをゲット!」というSPAMメールを送ってワンクリック詐欺を行う人が出現するかもしれません。 または、高校生などを狙って「目標の大学に間違いなく入学できる激裏情報3万円」などのSPAMメールを送る人が出現するかも知れません。

最近ではSPAMメールだけではなく、Google Adsenseや類似の広告サービスで怪しい勧誘が表示される事もあります。 Google Adsenseなどのテキスト広告を広告であると認識できない(知らない)人は大人でも多いです。 子供向けサイトで、子供を狙った怪しい広告が表示された場合、何も疑わずにクリックしてしまう可能性がSPAMメールよりも飛躍的に向上してしまうかも知れません。

本人は判断能力が優れていると思い込んでいても、子供には、このような手口が実は世の中には多くあって、それらは「子供騙しだ」という知識や経験が無い場合が多いです。 そのため、大人と比較すると騙されてしまう確率も高くなってしまうと思われます。 また、親にバレるのを嫌って黙ってしまうという恐れもあります。

現在大人になっている人達は、インターネットの成長と共に育ってきたと思われます。 そのため、インターネット上での騙しの手口に対しても徐々に慣れていく事が可能であったと思われます。

しかし、これからの子供は初っ端から大人と混合のレッドゾーンに放り込まれます。 言い換えると、オンラインでの騙しの手口が発達した中にいきなり放り込まれる事になります。

自然界では、子供が真っ先に捕食されてしまいます。 マンボウは1億個以上の卵を産んで、そのうち数匹ぐらいしか成魚になれないとも言われています。 捕食する側からすれば、捕食が簡単なものからまずは狙います。

同様に、インターネットでも子供が真っ先に被害にあうという事が今後、増えていくのではないかと危惧しています。 恐らく、これは悲惨な事件や有名な事件がいくつか発生しないと対処方法が浸透しないのかも知れません。

技術的にどのような対処が良いのかはあまり思いついていません。 親が子のアカウントに対してキーロガーを設定したり、Transparent ProxyのようなものでWeb活動を監視しつつ有害なものをフィルタアウトしたり、どこかの企業が子供に対して有害なサイトを探し続けてフィルタを提供するサービスを開始するのかも知れないと勝手に予想しています。 どれも賛否両論ありそうな方式です。

書いているうちに非常に後ろ向きな内容になってしまいましたが、「子供だましだ」と大人が思ってしまう下らない手法の中にこそ最大の危険が潜んでいるのではないかと思った今日この頃でした。

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